小1の壁という言葉があります。小学校へ入学後、子どもを預けるのが困難になるワーキングマザーの働き方の問題です。小学生の子どもを預けられる公的な学童保育はありますが、延長保育が難しく働き方を変えざるをえません。そんな方たちにとって、夏休みは大きな問題です。小学校が長期休暇になる夏休みは子どもの面倒を見る時間が長くなり、学童保育の利用者も増加、預けること自体が困難になるケースも珍しくありません。小1の壁を抱える家庭は、夏休み問題をどのように対処しているのでしょうか。

小1の壁とワーキングマザーの問題

学童保育とは、日中に自宅で子どもの面倒を見られない保護者が子どもを預ける公的機関で、ワーキングマザーが多く利用する場所です。預かってもらえる時間は原則として1日3時間以上で、長期休暇は1日8時間以上の利用が可能です。開所時間は施設により異なりますが、平日は13時から開所、終了時間は18時半から19時と定めているところが多く見られます。長期休暇の場合は開所が8時から、終了時間は同じく18時半から19時となります。ワーキングマザーにとっては便利な施設ですが、学童保育は延長保育がない、もしくは延長できても短時間のみなので、保育園と比べて預かり時間が短くなってしまいます。

また、子どもが小学校へ入学すると時短勤務制がなくなる会社もあるので、学童保育があっても利用できないケースも珍しくありません。退社時間が早めで学童保育の閉所時間まで預けられる環境でも、そもそも学童保育が利用できるエリアに存在しない、あっても満員で利用できない家庭も多く見られます。働く女性が増加している現代社会の中で、学童保育の整備は遅延しており、社会問題化しています。この問題を「小1の壁」と言います。子どもが小学校に入学してから働き方を変えたり、あるいは退職しなければならない女性が多く居るのです。

小1の壁の夏休み問題

夏休みになると子どもが家庭に居る時間が必然的に長くなり、親が面倒を見なければならない時間も増えます。日中の子どもの面倒は親が見なければなりません。特に小学校入学直後の小1の場合、生活のほとんどがまだ自立できないので、衣食住の生活を全て親が世話する必要があります。目を離している間に子どもに何かあると心配、一人にするのは不安と感じている方は多く見られます。このため長期休暇、特に休暇日数が長い夏休みに入ると、親の負担は自然と大きくなります。

先述のように、学童保育は長期休暇の場合、開所は8時からと朝早く対応してくれます。しかし、それでも出勤に間に合わない方も居ますし、間に合ってもぎりぎりという方も少なくありません。子どもにとって嬉しい夏休みは、親にとって小1の壁の問題を大きく感じる期間となるでしょう。また、学童保育は小学校と違い休職が出きません。このため、利用する親は毎日お弁当を作る必要があります。働きながら毎日お弁当を作るというのはかなりの負担です。

親だけでなく子どもも環境の変化に不安を感じるケースがあります。長期休暇の日中は子どもの面倒が見られないので夏休み中だけ学童保育を利用するという方も居ますが、小1の子どもは急激な環境変化に対して不安を感じます。学童保育に行くのを嫌がる子どもも珍しくありません。また、そんな子供の様子を見て親も心配になり、双方に精神的及び肉体的負担がかかってしまいます。

子どもの面倒を見るために働き方を変え、パート勤務を選択する方もいます。しかし、パート勤務は長時間働く正社員などと比べて学童保育に入れる優先順位が低くなり、倍率が高い地域では結果的に学童保育が利用できないこともあるのです。学童保育をうまく利用するために働き方を変えたのに利用できないという問題は、法整備の遅延や施設の少なさが原因です。全国各地でこの問題は起こっており、「小1の壁」という名前で社会問題化しています。

夏休み問題の改善策はあるのか

現状、小1の壁の夏休み問題を完全に解消できる方法はこれと言ってありません。夫婦で子どもの面倒を交替して見るか、あるいはどちらかが退職して学童保育を利用せず家庭で育てていくという方法が現実的です。もしくは、サポート制度が充実している会社に転職するという方法もあります。社会問題化している小1の壁に対して、企業側が対策しているところもあります。就業時間の柔軟な対応、長期休暇限定の補助など、細かなサポートを行っている企業も少なからずあります。しかし、すべての企業が子育てに対して積極的な支援を行っているわけではないので、この方法はなかなか難しいでしょう。夫婦で相談して家庭環境に合った対応策を考える、どちらかの家族に支援を要請するなど、家族間でのきちんとした話し合いと柔軟な対応で、小1の壁を乗り越える必要があります。

小1の壁の夏休みの不安を解消するには家族の話し合いが大切

小1の壁は親にとって大きな障害です。夏休みなどの長期休暇は特にこの壁が大きくなり、不安や心配も増えるでしょう。このとき、一人で抱え込んでしまっては精神的負担が大きくなってしまい、不安や心配がさらに増すかもしれません。子どもの問題は一人で抱え込まず、夫婦やそれぞれの親に相談し、家庭環境に合わせた柔軟な対応をしましょう。子育ては一人で行うものではなく、家族や地域、周りの人たちに頼って負担をなるべく軽減してください。